社長インタビュー:ジャパンケアサービス−1
対馬 徳昭氏
株式会社ジャパンケアサービス
代表取締役会長 対馬 徳昭氏
全5回:1 2 3 4 5
■第1回(全5回連載)

北上
会社を設立されたのは、平成2年頃でしょうか。

対馬氏
いえ。
社会福祉法人を昭和58年に設立しましたから20年ほど経ちます。
北上さんは今お幾つですか。

北上
今29歳です。

対馬氏
創業されるには良い時期ですね。
私もスタートしたのはだいたい同じ年齢です。

北上
もともとは2000年に私どもの会社をつくったのです。
大学を卒業してすぐにつくりまして1年後に東京に出てくるチャンスがあったのですけれども、今、丸6年経ちましてようやく本業が上向き状態になりまして、そのなかで次にやるなら伸びていく市場で、社会や人の役に立つ事業がやりたいということで介護業界を選んだという状況です。
今回対談をさせていただくなかで大きくは、一つは介護業界全般的なお話をお聞かせ願いたいということ。
二つ目は介護業界で働いている方、もしくはサービス事業者のあり方ですね。
それをお話いただきたいということ。
それから最後に私どもは介護求人サイトを運営していきますので、そこに対して何か期待するようなことがあればお話いただきたいなと思っています。
現在、介護業界はマーケット的には約10兆円といわれているのですけれども、介護業界全般についてどのような捉え方をされていらっしゃるのでしょうか。

対馬氏
一つは2000年に介護保険制度が出来、民間の参入が認められましたので、マーケットが拡大しました。
しかし、民間事業者が参入した中でサービス、品質の問題が社会から厳しい評価を受けております。
まず、これを改善して行こうと思っています。
介護保険制度が始まり今年で5年が経過しまして、制度の大幅な見直しがありました。
併せて介護方針の2回目の改定がありまして、結果から申し上げますと国も介護の質を上げるという政策誘導をする形の方針の改定を行いました。
これからは介護業者とは名ばかりの掃除、洗濯、調理といった家事援助を生業の糧としてきた会社は淘汰されるでしょうし、品質にこだわらない会社はこれから生き残れないと思います。
ここが大きなポイントだと思います。
ですから、サービスを利用する方や家族が事業者を選んでいくようになります。
その根拠としては、今年度から法律で情報開示の義務付けがされまして、ある意味では全ての訪問介護事業者が、その基準で事業者を調査し結果を開示する。
それを見た利用者やその家族がどの業者のサービスを利用するかという選択が始まってくる訳です。
いよいよ本格的に介護保険制度ができて利用者から事業者が選ばれる、選択という大きなプロセスに入ってきたという段階だと思います。

北上
どの業界でもサービスのクオリティーというのが企業の生命線であると思うのですけれども、具体的に御社ではどのような教育をされているのでしょうか。

対馬氏
残念ながら、この業界はサービスの質が定義されておりません。
介護とは、利用者やその家族が言われた通りにサービスをしていれば良いと言うことではありません。
寝たきりの人は寝たまま生活をしている。
これではとてもクオリティーが高いとはい言えません。
やはり、利用者やその家族からの要望も踏まえ、寝たきり状態だった人が少しでも自立して生活を送れるような介護を提供しなければなりません。
この「自立」がキーワードです。
「自立」がまったく入っていないケアは、利用者さんが納得しても、それはプロのケアとして失格だろうと思っています。
サービスの質の定義が明確になっていないゆえに個々の事業者の捉え方が違います。
事業者によっては満足度調査(記名式)を行えば「なかなかいい答えが返ってきています」とおっしゃるのですが、そんなことは当たり前です。
利用業者に対する満足度は低い訳がないのです。
その調査を無記名で行うとなったら話は変わってくると思います。
ただ、介護というのは家族でも無資格でもできます。
その中でわれわれプロがサービスを提供した場合、利用者がどのように変わっていくのかという事が重要だと思います。
寝たきりの方が自立する。
例えば自力でトイレに行って排泄をするとか、自分で着替えをするとか、自分でご飯を食べるとか。
自分でできることもあれば、できないこともあって、そのできないところだけを支える。
これがまさしくこれからの介護ですし、訪問介護事業のクオリティーになってくると思っております。

北上
なるほど。
実は私の父方の祖母も、決して寝たきりではないのですが病院と併設されている介護事業所に入っておりまして若干足が悪いのです。
車椅子で生活しているのですけれどもその他は全然問題ないのです。
ただ、祖母と話をしていて「事業所は楽しい?」と聞くといろいろなイベントがあるのはいいけど、半ば強制的に行かなくてはいけない感じがあるので、それがちょっと苦痛かなというような話をしていました。

対馬氏
弊社も介護事業所を開設しております。
今後、各事業所で様々なイベントを企画し、利用者本人が好むものに参加してもらえるような施設を目指したいと思っています。
一つのイベントに半ば強制参加というのは仕掛けとしては問題ですね。

北上
そこがなかなか難しいのかなと思うのです。

対馬氏
選択できるということが大事なことですから。
やはりプログラムが一つというのは利用者にとっては乏しいと思います。

北上
日本は超高齢化社会になるような状況で、働く人は、若い20歳代、30歳代が介護、サービス提供者として多いらしいのです。
そういう方々の役割とか、そういう方々に対してこのようにあってほしいということは何かございますか。

対馬氏
現状は、在宅介護を担っているのは40歳代、50歳代の女性です。
片やおっしゃるとおり、若い方が勉強してこの福祉介護の業界に入ってくる。
これは非常にありがたい事です。
「若い人では難しい」という声もありますが、やはり若いときから福祉をやろう、介護をやろうという人が増えてきているのは事実です。
では、若い方が在宅介護分野で仕事をしていくためにはどうすればよいのか。
それは、専門職として必要な資格を取得することだと思います。
看護師も医師も薬剤師も一定期間定めた修学年限を終えて国家試験を受け、資格を手にして専門分野で仕事をする事になっております。
日本の介護業界もそういう仕組みに変わりつつあります。


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