コラム:必ずしも一致しない資格名と実際の職種|介護福祉士への調査から実際の職種を見る
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ライター:宇都宮雅子

介護施設の求人欄を見ていると、「介護職員募集」や「介護スタッフ募集」といった言葉をよく見かけます。これは施設で介護を行うスタッフを募集するもので、資格が必要な場合は「介護福祉士有資格者優遇」や「ホームヘルパー2級以上」などの条件が併記されています。資格名そのものを指す「介護福祉士募集」という広告はそう多くありません。これは介護業界の特徴で、「資格名と実際の職種が必ずしも一致しない」ことがよくあるのです。

たとえば医療業界の場合、医師は医師の仕事をしますし、看護師は看護師の仕事を担当します。それぞれの資格に応じて仕事の領域が厳密に定められており、資格のない者が医療行為を行うと法的に罰せられることになります。このような資格を「業務独占資格」と呼びます。

しかし、介護関連の資格で業務独占資格にあたるのはケアマネジャーのみ。介護の現場では、介護福祉士が必ずしも介護を行うとは限らず、ホームヘルパーが必ずしも高齢者の家庭を訪問しているわけでもありません。一例を挙げると、介護福祉士に「現在の職種」を質問した調査結果があります。

■介護福祉士への調査から実際の職種を見る
介護福祉士が担当している職種
(全体数=4058)
グラフ
(1)施設の介護職員、(2)ケアマネジャー、(3)ホームヘルパー、(4)サービス提供責任者、(5)生活相談員、(6)管理者、(7)教員、(8)その他、(9)無回答

※社団法人日本介護福祉士会「第5回介護福祉士の就労実態と専門性の意識に関する調査報告書」(2003年3月)より

半数強を占めるのは、やはり「施設の介護職員」。介護施設で実際に食事介助や排泄介助を行っている姿が想像できます。しかし、次に多いのは「ケアマネジャー」の23.5%。介護福祉士がケアマネジャーの資格を取り、ケアプランを作成することを毎日の仕事としている様子がうかがえます。

さらに、「ホームヘルパー」として高齢者の自宅を訪問し、身体介護や家事などを支える人が19.9%。「サービス提供責任者」として訪問介護事業所でヘルパーの訪問計画を作ったり、介護方法を指導する人が12%存在します。
また、1つの有資格者がさまざまな職種に就く一方で、1つの職種に異なる有資格者が就くこともあります。

「サービス提供責任者」は介護福祉士資格もしくはヘルパー1級資格を持つ人か、3年以上の実務経験を持つヘルパー2級資格者が務めることのできる職種です。

調査結果では介護福祉士の8.1%が就いている「生活相談員」は、高齢者施設や障害者施設などで入所者の相談・指導を行ったり、介護の現場全般の管理を行う職種で、主に社会福祉士や社会福祉主事の有資格者が就くものです。
(次ページへ続く)

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