コラム:「権利擁護」ってどんな問題?|「成年後見制度」とは?
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ライター:志田玲子

「将来、自分が寝込んだり、認知症になったりしたら、私の大切な財産は誰が守ってくれるの?」介護の現場では、そんな不安を抱える利用者さんが少なくありません。年を重ねることで物事を判断する力が衰え、その結果、悪徳商法の被害に遭うなど、自分の利益を自分の力で守れなくなってしまう…。

そんな高齢者や障害をもつ人のために、人権を始めとしたさまざまな権利を保護したり、本人に代わってその財産を適切に管理したりするのが「権利擁護」です。つまり、個人が人間としての尊厳をもって生きていくことを生活上の重要な場面でサポートすること。高齢化が加速する中、こうした「権利擁護」の問題は、介護の現場で今、大きな注目を浴びています。

「権利擁護」は、「虐待防止事業」「成年後見制度」「地域福祉権利擁護事業」の3つのしくみが大きな柱となっていますが、今回は、「成年後見制度」「地域福祉権利擁護事業」についてご紹介しましょう。

■「成年後見制度」とは?
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「成年後見制度」とは、認知症高齢者、知的・精神障害者などのうち、判断能力が十分でない人たちを援助する「成年後見人」を、家庭裁判所などに選んでもらう制度です。「成年後見人」の仕事は、不動産や預貯金等の財産の管理や各種契約の手続などを本人に代わって行うこと。日用品の買い物や介護などは含まれません。

「成年後見制度」には、法定後見と任意後見があります。法定後見とは、既に判断能力が十分でない人が対象で、家庭裁判所が後見人を選びます。本人の状況により後見・保佐・補助の3種類に分かれ、軽度の認知症などでも利用しやすいしくみになっています。

一方、任意後見は、本人がまだ判断能力があるうちに将来に備えて自分で後見人を選び、財産管理などの代理権を与える契約を結んでおく制度です。

「成年後見制度」を利用する場合は、家庭裁判所に申立てを行うことが必要。申立てができる人は、本人・配偶者・4親等内の親族などに限られています。

実際、利用するに当たって気になるのは…ヤッパリ費用の問題ですネ。一体、どのくらいかかるの? 申立て時には、収入印紙(800円)、登記印紙(4,000円)、郵便切手(東京家庭裁判所は4,300円)、医師の診断書などの費用が必要です。

また、後見を弁護士などに依頼した場合は、月額報酬が30,000円程度かかるとされています。
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