コラム:これってもしかして虐待?|「高齢者虐待」って、どんな行為を指すの?
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ライター:志田玲子

介護保険の認定者数がわずか5年間で200万人近くも増えたのに伴い、問題化してきたのが高齢者虐待。介護者が介護を受ける高齢者に対して行う虐待は、暴力を振るう身体的虐待から、日常生活の世話をきちんとしないネグレクトまで、さまざまな形で起こります。

でも、介護の現場で起こる虐待は、在宅にしても施設にしても、第三者の目に触れる機会が少ないため、問題が表面化しにくいもの。人目に触れないまま日常的な虐待が続けば、高齢者の健康はもちろん、生命にまで危険が及びかねません。
こうした深刻な問題に対応するため、国は2006年4月「高齢者虐待防止法」をスタートさせました。

■「高齢者虐待」って、どんな行為を指すの?
「高齢者」とは65 歳以上の人たちを指します。そして、虐待は、養護者=高齢者の世話をする家族・親族・同居人や、介護施設ほか介護事業に携わる職員が行う行為が対象になります。
虐待にはさまざまな種類があります。

・身体的虐待
たたく、つねる、蹴る、ベッドにしばりつける、わざと薬を過剰に与えるなど。
・心理的虐待
どなる、悪口を言う、子供扱いする、排泄などの失敗をした時に恥をかかせるなど。
・経済的虐待
必要なお金を使わせない、本人の貯金・年金などを本人の意思・利益に反して使うなど。
・性的虐待
本人が嫌がるにもかかわらず性的な行為を強要するなど。
・ネグレクト
水分や食事を充分に与えず空腹・脱水の状態にさせる、 入浴させないまま不潔な状態で放置するなど。

では、介護の現場では実際、どんな虐待が多いの? 2003年度、医療経済研究機構が全国の介護保険事業所などを対象に行った 「家庭内における高齢者虐待に関する調査」の中で、担当ケアマネの回答(1,991件)を分析した結果によれば、 虐待区分のうち、

・心理的虐待 ・・・ 63.6%
・ネグレクト ・・・ 52.4%
・身体的虐待 ・・・ 50.0%
・経済的虐待 ・・・ 22.4%

心理的虐待が最も多く、次いでネグレクト・身体的虐待の順に続きます。「言葉」「体」による暴力もさることながら、「介護放棄」とも言えるネグレクトもけっこう多いですネ。
(次ページへ続く)

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